映画をみること(あと少し、しごとのこと)

ここ1、2年で、映画館によく行くようになった。よく行くと言っても月1くらい、行かない月もあったし2週連続で行くこともあった。

過去に見た作品がない分、TSUTAYAでのレンタルも増えた。

映画を映画館で見るひとと行動をともにするようになったのはもちろん、前職がテレビ関連で、映画を見に行けと脅しみたいに言われ続けてそれをかたくなに黙殺し続けた反動も大きいとおもう。
当時は映画やなんかの魅力を伝えるための言い回しとかそういうことばっかり考えていたから、頭の中の第二のじぶんはおもしろそうだなって思う映画やドラマもたくさんあったんだけど、それらのためにたいへんなおもいをしている表面のじぶんが、
わざわざ休日の自由時間までそれに関わることを拒否し続けていたのだった。
好きなことを仕事にすると嫌いになるっていうけど、べつにそこまでテレビっ子じゃなかったのにそうやって嫌いになっていたから、あんまり関係ないとおもう。

ちなみにいまは、幼少の時分から好きな布とはさみと触れ合い、なにを作り出すでもなく淡々と日々の割り当てをこなし、ひどい手荒れに悩まされてはいるけれども、布も服も一向に嫌いにならない。
しごとの内容が好きじゃなく納得もいってなくて拘束時間も並大抵でなく、つらいって言い続けているひとは、どうすればじぶんはつらくないのか、満足できるのか、ちょっと立ち止まって考えてみたり、身のまわりの友人にちゃんと相談してみると、べつにそこまでつらくない環境に身を置けることになるかもしれない、多少のがまんは必要だとしても、つらくない毎日はぜったいあるよ、っておもいます


それはさておき映画についてだよ


というわけでわたしは特に映画好きというわけでもなく、みんなたちが映画の話をあれこれしてると完全にわかんなくて、なぜそんなにたくさんの映画の感想を常に心の引き出しに持ち歩けるのか不思議で、尊敬していた。
なにしろ映画館でみた映画といえば、家族4人で初めて映画館へ行ったもののけ姫と、中学生のとき友人と行ったハリーポッターかなというくらいだったし、
DVDやなんかを見るのも、アニメ以外は学校の授業で過去の演劇作品やシェイクスピア映画を見るくらいだったように思う。

どうせ待ってればテレビでやるしわざわざ映画館で見る意味があまりわからなかった。
映画館で大きい音にさらされた後の、あの妙に世間の音が遠く小さく聞こえるかんじも嫌いだったし(その現象は最近感じづらくなった気がする、昔は耳がよすぎたのかしら、音響技術が進歩したからかしら)、
そもそも怖いものが極端に嫌いなわたしにとって、映画館初体験でのもののけ姫の、祟り神になりかけのオッコトヌシ様やドロドロになったシシ神様はめちゃくちゃな恐怖だったわけであり、しばらくトイレに行くのもこわくて(なんならジュラシックパークを家のテレビで見たときでさえ、トイレを開けたときあの大きい顔がいたらどうしようってしばらく怯えてつらい日々を過ごした)、いい思い出とは言えなかった。

それでもべつに嫌いというわけじゃなく、単に積極的に見に行かないだけで、気になる存在ではあった映画館。

前職を、辞めてやった!辞めてやったぞー!!わたしだってテレビや映画のこと、べつにきらいなわけじゃないんだからねッッ!!!!というひねくれた開放感の後押しもあって、
前述のとおり、折をみて行くようになったのだった。

行くようになってみると、やっぱり映画は映画館で観るのがいいなとおもうようになった。
良い映画ほど、映画館で観てよかったなとおもう。
画面の大きさあってのダイナミックさ、細部まで丁寧に処理されているのがわかる映像、本当にその場にいるように感じる音響はもちろん、
映画館ならではのマナーである、携帯をいじっちゃダメっていうのが良い。家で見ていたらできない集中がそこにある。
そもそも暗いからほかのことは見えないし内職のしようもないし(そもそもお金と時間をつかって見に行っているのだから別のことをする気にはならないけど)、
なんなら少し良い座席のエグゼクティブシートみたいなものになると、もはや隣の人も遠くて顔も存在もわからず孤独の中ひとり映画に集中することになる。

その分、じぶんに合わない退屈な映画の場合は苦行になるけれども、
そういうときにはその映画のどこがどうダメか考えながら見ることによって、自分自身の趣味嗜好への理解を深めることができる。

映画or自分に集中できる場所is映画館、とおもう。
映画に限らず、他人がつくったなにかを見てなにかをおもうということは、その他人を知ることでもあるしじぶんの価値観を知ることでもある。

あとわたしは気が短くて堪え性がないから、映画は2時間で完結してくれるところも良い。
ドラマとか、特に恋愛ものなんか、どうせくっつくのに延々と山あり谷ありで毎週ハラハラし続けるのには、めんどくさくて正面から向き合えない。携帯いじっちゃうし途中でトイレ行くしお茶も沸かしちゃう。
映画も自らラブ関連はあんまり見ないけど、最近友人からいただいた『アバウト・タイム』はとってもとっても好きだったのでどんどんオススメしていきたいとおもっています!
あれはとてもすごい、
善意がすごくすごい、
脚本をとにかく褒めたい。
この世で見てきた絶望を覆してくれて、ほんとに大好きです、希望をありがとう、
見たことなかったら見てみてほしいよ、
ヒロインがとってもキュートよ!


それから、ご使用の方も多いかと存じますがtwitterの映画情報版みたいなアプリ(Filmarks)で、映画のじぶんの満足度を点数にしてつけられるんだけど、点数順に並べると、それもまたじぶんの趣味嗜好が可視化されておもしろいなーというのがここ3日くらいでの気づきだよ。
過去に見てそんなに覚えてないやつはだいたい真ん中くらいの点数にしちゃうから、ほんとはどうだったのかもう一度見たいやつも多いよ。


わたしと映画の関係は、だいたいそんなかんじです。
(おやすみなさい)