睡眠(と父)のこと

眠れなくて困ったことは、ほとんどない。

年齢とともにどんどん寝つきが良くなっているんじゃないかと思う。

前職でちょっと気がおかしくなっているようなときも、不眠などの症状が出ればいよいよ病院行きだったのだけど、むしろ毎日、逃げるように眠りについた。
眠ってしまうとすぐにまた翌日になるので、それはとてもいやだったけれども、意識を現実に置いておく方がもっといやだった。


幼少のころは、眠る前に親にお話をしてもらったり、妹とでたらめにお話をつくりあったりした(妹とは架空の"ラジオお悩み相談室"ごっこをするのも一時期流行った。悩みも架空だった)
聞きながら途中で眠ってしまうよりも、ちゃんと「おしまい」を聞き届けてから眠る子どもだった。
その後で、目を閉じてお話の続きを考えて、そのうちに眠ってしまうのだった。
山の中腹の小屋で、女の子が動物たちとなかよく暮らしている想像をするのが好きだった。
たぶんその頃、学校で借りた本がそんな話だったような気がする。
父が話してくれた、うろ覚えのナルニア国物語っぽいお話のことも好きで、
高学年になってから、そうとは知らずに図書室で借りて読んだのだが、既視感をおぼえ不思議に思ったとき、ああ!あれか!と気づいた。

父は生身の人間があまり好きじゃなく、
アルプスの少女ハイジを好み、ジブリも好きで、つまりはテレビでもバラエティやニュースを見るよりアニメでチャンネルを止める人なわけで、
絵をかくのも工作するのも好きで作品は家中に点在しており、
大変今更ですが、わたしもわたしの妹もかなり父の影響を受けているものと、いまあらためて認識した。
音楽番組よりもアニメが好きだったし、いつまでたっても、ファッション雑誌よりも児童書が好きだ。

さて、そんな父から習った眠れないときの対処法がある。
幼稚園か小学生のとき習って以来、いまいち眠りづらいな??というときにやると、必ず眠れる。
やり方は以下のとおり。

①部屋を暗くして、腕と足をほどよく開いて仰向けに寝る
②ゆーーーーっくり息を吸って、ゆーーーーっくり吐くのを慣れてくるまで繰り返す
   肩があがらないで、おなかが膨らむように息を吸うとよいです。
③右手がだんだん重くなーる重くなーる
   このとき手がだんだん鉛みたいになっていく想像でもいいし、手に持った架空のボール的なものがだんだん重くなっていくのでもいい。
   とにかく重くて右手がふとんに沈みこんでいく。もう重くて動かない。
④左手、右足、左足もゆーーーーっくり順番にやっていく
   呼吸はずっと②のまま。
⑤やがて全身おもーくふとんに沈んでいく
⑥右手がだんだんあたたかくなーるあたたかくなーる
⑦左手、右足、左足も同様に
⑧ひつじを数える

ぜんぶめちゃくちゃゆっくり丁寧にやると、④や⑤の途中で眠れてしまう。
最終的にはひつじに頼ることになるけど、呼吸と手足と全身の重みに身をまかせているとスヤーッてなるよ。
最近知ったのだけど、深呼吸は自律神経を整えるのによいらしいので、父もどこかで習ったのだろう。


いまは朝だけどすでに眠いし、昼休みにつっぷしたら一瞬でよだれたらして眠るわたしにはほとんど必要なくなってしまったけど、
疲れた夜に深呼吸するのは
けっこうおすすめ



(おやすみなさい)