クラブに行くこと
わたしがクラブに行っていたのは、仕事のことを忘れたかったからだった。
人がたくさんいて暗がりで音楽が大音量で鳴ってて光がビカビカしててお酒を飲むと楽しくなって知らない人とどんどんともだちになって目を閉じて頭を振れば音がきもちよくて記憶もお金もなくなって、こうしてつかってなくすために稼いでるから我慢しようっておもっていた。
特別好きなアーティストのイベント目当てではないから、そんなに大きなとこへは行ったことがない。
当時は、職場はもちろん自宅も、がんばれつらい人はたくさんいるって励まされるから、どこにもいたくなかった、遅れてきた思春期の家出のようなことだった。
そんなだったから、クラブに行かない側かつ、生きるのがつらくない側のひとたちがなにを動機に行くようになるのか考えると簡単なようでいてむつかしい。
グレてないひとたちが繰り返し通うようになるには
かかる曲やDJがいいっていうのが一番なのかもしれないけど、わたしは教養がないし、そもそもmixやDJが好きな人はすでに好きなアーティストのイベントなどで遊びに行っているだろうのでここでは置いておこう。
そうするとやっぱりひとかなぁ、
わたしはね、能動的に約束しなくても自動的にともだちに会える場所だから好きだ、
会えるからにはお喋りもしたい、でも能動的に会わないだけあってそんなに真剣に話し込んでいたいわけでもない、無責任に聞きたいことだけ聞いて喋りたいことだけ喋れてあとは音楽をきいてゆれていればなんとなくいいきもち、そういうものかなと思う。
つまりてきとうな性格の人間が集まるのに向いているような気がしている。
そもそもがopenの時間に入らなくてもclose前に帰っても自由なんだからそりゃてきとうだよなァ、行けたら行くだよなァ。
とかいってみたものの、人間は多種多様なのでちゃんと都合をつけて行くみなさんも存在するのを知っている。責任感やおもいやりのあるあたたかい会話だってあるとこにはある。
それぞれが合う水と流れをみつけて泳いだらしあわせとおもう。
最近は本当に仕事がべつにぜんぜんいやじゃないので泥酔する必要も家に帰らない意味もなくなって、使えるお金も以前ほどないし、自粛気味だけど、
だからようやく少し、音楽を聞くことや冷静にVJを見ることに楽しさが向いてきて、それはそれでおもしろい、というかこれがまっとうな楽しみかたなのかも、ともおもっています。
泥酔する方の楽しみかたも好きだったから、その気が起きなくなったのはさみしくもあるけど。
音楽を積極的にきかないひとでもフワ〜っと知り合いに会いに行くみたいな気分でいってみたらなんか自分はこういう曲好きかも!音楽たのしい!ってなったらハッピーなお話だし、そうならなくてもお酒を飲んでお喋りしたら楽しいんじゃない?
それにはやっぱりくつろげるソファがある場所っていいよね?
っておもうよわたしは
(おやすみなさい)
(12月12日(土)16:00-22:00 渋谷のくつろげるソファがあるクラブで、会えたら会いましょう)
DISCO NOIR ※リンク先は過去のもの